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kenzo

kenzo の紹介

筆匠 健蔵広島県の瀬戸内海から山間に10Km余り上った盆地にあります。熊野町で筆作りをしています。 熊野筆町で作られている伝統的な工芸品熊野筆は江戸時代からの伝統の技が伝えられています。 プロフィール詳細

「純鼬毛 至香」に鼬毛コリンスキーの筆の名前が決定!

鼬毛コリンスキーの筆のな名は「純鼬毛コリンスキー開栄四号」と記していました。名前がモヤモヤしていました。作った時の気持ちをスッキリしたいと思いました。         で、「純鼬毛 至香  価格13800」に決定しました。 筆鋒の寸法:内径約8,5mmx48mm    染め軸外形約10,5mmx210mmの棒軸。

GWに筆の道具、小刀を求めに奥出雲に!

熊野筆の良質の筆は形のいい、きれいな筆鋒が良質な筆です。筆作りの基本は選毛が大切な工程なんです。穂の製造の工程は、選別→毛組→毛組→毛モミ→寸切→混毛→芯立て→衣毛巻き→糸締め→穂の完成。獣毛の毛を選別すしていきます。   この時に使う道具が小刀なんです。小刀の良し悪しで筆の質が決まるのです。で、私は小刀にこだわっています。 神話の国、たたら鉄の国、奥出雲に行きました。GWの快晴の一日、熊野から雲南市(横田)、安来市と300キロを走りました。横田の亀嵩駅のそば、亀嵩駅そのものがそば屋なんです。5年ぶりのソバの味は懐かしく、美味しいかったです。 ここ横田で小刀を探し求めましたがありませんでしたので、快晴の空を泳ぐ鯉のぼりを横に、足立美術館を見ながら、安来の刃物祭りに行きました。祭りの会場を探し求めて歩きました。小刀がありました。地元の刃物製造の店で小刀を見つけました。

鼬毛コリンスキーの筆は上達が早い!

漢字古典の臨書向きに作りました。書道の臨書学習の悩みを解決してくれる兼毫筆です。鼬毛の兼毫筆は楷書・行書・草書の三書体を比較的に楽に書けて、上達が早く進みます。しかも古典の臨書だけでなく、大字仮名にも使えます。 純鼬毛コリンスキーの材料は25年前に中国湖州市で仕入れたアムール毛ながイタチの尾を使いました。選び、選びぬかれた尾の長い毛は弾力があり、ネバリがあります。水に  親しむ類であるためか、水を含んでもまとまり、ネバリが最高にいい。 筆の腰毛には剛毛のシナイタチアナグマの毛(オロンピー )を混入して 弾力を付けるようにしまた。キリリとした線質、鋭いきれいな線が淡々と書ける。スート抜群の書き味になります。 純鼬毛コリンスキー開栄4号

29年度高校の書道科の羊毛筆納品出来ました。

やっと、今月20日、 4月の高校1学年書道科の羊毛筆の名前を刻銘して納品しました。今年度の生徒の数、100名分を製造しました。筆は羊毛筆、細光羊毛筆、長長鋒内径約12x73mm。 先生とは10年以上、特別に羊毛筆を作らせいいただいておりますが、最近では羊毛の材料の値上げ、中国産の羊毛の毛質低下の変化がおきてきていまして、中々希望する材料が手に入らないので悩んでいます。 先生の特製羊毛を作るのに必要な良質の材料がないのです。安価で良質な材料がないのです。約束の特製羊毛筆を作るために、筆組合を通して町内の筆職人から材料を分けていただきました。古い20年前の細光峰の材料です。 この材料は良質でした。これで特製羊毛筆を作りました。 先日、先生から特製筆の追加注文の電話がありました。特製筆の在庫分が数本ありましたので、送らせていただきました。先生、試し書きして「気に入った」よ

宿浄純羊毛3号広徳の寸法の問い合わせがありました。

3種類の羊毛筆を試し筆として送りました。3本の筆をそれぞれを水で試し書きして、再度の連絡がありました。そして 、確認・納得して1本を選ばれました。 商品一覧の羊毛筆のことで問い合わせがありました。宿浄純羊毛3号広徳の内径では細い、鋒先の毛の量が少し太くて、弾力のある羊毛筆をさがしていますと。 話を聞きまして、寸法13mmx80mm~83mmにして、材料を 細光・細微羊毛で、筆の構造を2回巻き、3回巻き、普通の3種類の羊毛筆を作りました。 ①細微光峰4,4/2,7広徳  価格40000円    構造は細微・細光を芯毛に上毛に特別細微を巻く。穂6,7g毛はどっしりした重さを感じる。鋒先は太目に作りました。 試し筆の評価は鋒先に弾力好評 構造は普通の2回巻き ②精選宿浄純羊毛4,3/2,6広徳 価格35000円 構造は細光・特別細光を芯毛に上毛に特別細光を巻く

40年前の原毛を使用!しかも、髭羊毛。

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羊毛筆の材料のお話を少しします。古来、毛筆が中国から伝わってきました。羊毛筆は文字が大きく使かわれる頃、筆の芯に紙を巻かない作りに なります。水筆になります。筆鋒 の 根元まで捌いて使います。墨を含ませても使えます。日本では近代に入りまして本格的に使われ出したと思われます。 材料となる原毛は中国のヤギです。産地は中国浙江省・江蘇省になります。これを中国からの輸入に頼っています。40年前には一部毛皮付きの羊毛が麻の袋に入って輸入されてきました。原毛 これの原毛を選別します。羊毛捌き毛筆に使用します。それには使える毛と使えない毛に分けて、それぞれの数種類の部位に選別します。 今回は羊毛原毛の中の髭毛について、お話します。羊毛原毛中で髭毛の特徴は毛の丈が短くて、弾力が強い。筆の鋒先の命毛となる透明の細い水毛が少ない。ですから、絵の筆に使われる物が多い。水彩・日本画など(当時)。

第67回 正倉院 35 筆 (中倉37筆 第10号)調査当時に感動して作った筆

正倉院宝物筆18本の筆の毛質の解明を平成21年から開始されました。18本を見ていまして、中倉37筆第10号、この筆は自然の軸に筆鋒が管込みされていまして、飾りもなく実用に使われていたように思われました。1300年も経た歴史を感じない、現在もつかわれているように、感動しまして、現在ある材料で造りました。 筆鋒の毛質は中国産の兎毛、兎毛の中の紫毫の上質、和紙は鳥取市青谷産、竹は古い斑文竹がないので、古い煤竹を使いました。 筆鋒の構造は三営成筆の巻筆である。第1営(芯毛)、精選した紫毫を3mm、糸で巻き縛りとめ、穂先6~7mmの下から和紙を強く螺旋状に巻く。筆鋒の形を考慮して巻く。第2営は命毛より下に和紙の上に兎毛の紫毫をきれいに平目にして第1営に巻く。そして、巻いた紫毫の上から和紙を螺旋状に巻く。 第3営(化粧毛)をきれいに平目して丁寧に巻く。最後に筆

第67回正倉院展 35 中倉 筆 (中倉37 筆 第10号)

①筆の外観    管長17,2㎝   管径2,4cm   筆、帽ともに装飾のない実用本位の筆。筆鋒の毛はかなり残っているが、先端部は欠けている。第3営(化粧毛)の一部が欠失し、ささくれている。この箇所は帽が当たりやすく、摩擦による損傷と思われる。筆鋒の毛質は細く、真っ直ぐで、毛色は黒色や茶色である。筆全体に墨が付着し、管口付近の斑文表面にも付着している。筆を手に持った感じの重さは思ったよりは軽く、中字用筆と思われる。 ②筆鋒の構造   筆は3段構造の三営成筆である。筆鋒の内部構造は、第1営(芯毛)を糸で縛り、一段目巻紙を巻き、第2営を命毛より少し控えて巻き、糸を巻き、2段目巻紙を巻き、第3営(化粧毛)を巻く。最後に筆鋒の根元を糸で縛り、管込する。第9号、10号、第12号と同じ造りである。第2 段目巻紙は、湾曲部では小口が2重に折り返してあるが、竹管口付近では折り返しが見当たら

第67回 正倉院展 34 中倉 筆 (中倉37 筆 第4号)

①筆の外観    管長22,3㎝   管径2,0㎝    この巻筆は腰高の紡錘形である。鋒先の 先端が細く、中鋒形である。他の巻筆と形が異なり、製作年代は新しいように思われる。筆の造りが雑である。命毛は少し擦り減っている。墨は先端に沢山付着しており、筆の根元付近まで染み込んでいる。そのためか筆根元が膨らんでいる。筆管の差し込み口は薄く削って、筆穂を管込みしてあり、 雀頭筆に共通の加工である。 ②筆鋒の構造   筆は3段構造の三営成筆である。筆鋒の内部構造は第1営(芯毛)を糸で数カ所を縛り、1段目巻紙を巻き、第2営を巻き、2段目巻紙を巻き、第3営(化粧毛)を巻く。最後に筆穂の根元を糸で堅く縛り、竹管に管込みする。 ③筆毛の材質  第1営(芯毛)に墨が付着しており、外見からは判定できないが、軟x線透視画像による芯毛の形状が、寸胴形であることから、鹿毛又は馬毛と推定した。第2

第67回正倉院展 33 中倉 筆 (中倉37 筆 第1号 )

①筆の外観      管長20,4cm、管径2,2㎝ 筆鋒の各営は完全に消失しており、巻紙や竹管との間に残毛があるだけである。穂先は欠失しているが、残毛の小口の観察から、細微な良質な毛と推測する。墨は第1営(芯毛)から2段目巻紙の中程にかけて付着している。 ②筆鋒の構造  筆は3段構造の三営成筆である。筆鋒の内部構造は第1営(芯毛)を糸で数カ所しばり、1段目巻紙を巻き、糸を巻き、第2営を巻き、糸を巻き、第三営(化粧毛)を巻き、筆穂の根元は格段の巻き紙を絞ってまとめている。最後に筆穂の根元を糸で絞り、竹管に管込する。紙巻きは螺旋状に左巻きである。 ③筆毛の材質    第1営(芯毛)は擦り切れた残留しており、太い毛と細い毛茶色系の毛が混在している。狸毛と判定している。第2営は狸毛と推定する。第3営(化粧毛)は筆管と2段目巻紙の間の奥深い所に残毛が認められるが、観察が